特定技能「物流倉庫」はいつから?試験・受入れ上限・企業要件
投稿日:2026.10.12
「倉庫内のピッキングや検品を担当する人材が集まらない」「外国人を採用したいが、自社の倉庫が対象になるのか分からない」。そのような企業様にとって、新たに特定技能の対象に加わった物流倉庫分野は、今後の人材確保を考えるうえで注目したい制度です。
今回は、物流倉庫会社・倉庫作業を受託する会社・運送会社の皆様に向けて、現在の準備状況、試験開始時期、受入れ上限、対象業務と企業側の準備事項を公式資料に基づいて整理します。
特定技能「物流倉庫」の準備状況(2026年10月12日時点)
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 対象分野への追加 | 2026年1月23日 分野別運用方針が閣議決定 |
| 上乗せ基準告示(特定技能) | 2026年6月26日 国土交通省告示第787号 公布 |
| 特定技能の運用要領別冊 | 2026年9月18日 公表 |
| 特定技能1号評価試験 | 本試験の開始時期は調整中 |
| 分野別協議会 | 設置に向けて調整中(加入要件・受付開始時期は今後公表) |
| 特定技能2号 | 物流倉庫分野では受入れなし |
試験と協議会の状況は、国土交通省のページで「2026年9月時点」の情報として案内されているものです。受入れ企業の要件は告示・運用要領別冊で具体化されている一方、試験日程と協議会の加入受付は確認日時点で公表されていません。
特定技能「物流倉庫」の受入れはいつから?
物流倉庫分野は、2026年1月23日の閣議決定で、特定技能(あわせて育成就労)の対象分野に追加されました。特定技能1号の運用要領別冊も、2026年9月18日に公表されています。
一方、国土交通省の試験案内(2026年9月時点)では、特定技能1号の評価試験開始時期は調整中・未定です。分野が追加されたことと、試験や協議会加入の条件が整って実際に外国人が就労できることは、区別して考える必要があります。
なお、技能実習制度に代わる育成就労制度は2027年4月1日に始まりますが、この日付をそのまま物流倉庫の特定技能1号の試験開始日・就労開始日と考えることはできません。
物流倉庫の特定技能評価試験はいつ始まる?
国土交通省によると、2026年2月末までに試行試験を終え、試験の適正性の了承を得る手続きが進められています。ただし、2026年9月時点の案内では、本試験の開始時期は未定で、試験実施要領も「調整中・今後公表予定」とされています。
初回試験日、申込開始日、開催国・会場、受験料などについては、確認日時点で公表されていません。出入国在留管理庁の試験実施予定一覧(2026年8月31日現在)でも、物流倉庫分野の試験予定は確認できませんでした。海外での採用を検討する場合も、希望する国での実施が正式に発表されるかを確認する必要があります。
運用要領別冊によると、この試験は物流倉庫における保管・荷役、流通加工、安全衛生に関する実践的な知識や、機器の取扱いの理解を確認するものです。
日本語能力の要件も確認しましょう
特定技能1号では、物流倉庫分野の技能評価試験に加え、JFT-BasicのA2.2相当以上、またはJLPTのN4以上の日本語能力が必要です。
技能実習2号を良好に修了した方は、職種・作業の種類にかかわらず日本語試験が免除されます。一方、運用要領別冊の別表では、物流倉庫分野の技能試験の免除対象となる技能実習2号の職種は定められていません。技能実習修了者であっても、物流倉庫分野の技能評価試験の合格が必要になる点にご注意ください。
物流倉庫の受入れ上限数と対象期間
| 制度 | 受入れ上限 | 対象期間 |
|---|---|---|
| 特定技能1号 | 11,400人 | 2026~2028年度 |
物流倉庫分野全体の受入れ見込数として「18,300人」という数字も公表されていますが、これは育成就労(6,900人)を含む合計です。特定技能1号の上限は11,400人です。いずれも2028年度末(2029年3月末)までの全国・分野全体の枠であり、年間の人数や1社当たりの人数ではありません。
分野別運用方針には、上限を超えることが見込まれる場合などに、在留資格認定証明書の交付の一時停止を求める仕組みも定められています。ご相談や採用の内定によって枠を確保できるものではないため、制度の状況を踏まえて採用計画を立てましょう。
特定技能「物流倉庫」の対象業務と対象事業者
従事できる業務は、物流倉庫において倉庫内で行われる入出庫貨物の受渡し・検品、貨物の移動、保管庫への格納、ピッキング、流通加工などの倉庫作業です。流通加工には小分け再包装、タグ取付け、ラベル貼り、セット組みなどが含まれますが、商品の機能を完成・向上させる加工は製造工程とされ、含まれません。事務所への連絡・報告、作業場所の整理整頓・清掃などの関連業務に付随的に従事することは差し支えありませんが、専ら関連業務に従事させることは認められません。
また、包装されていない食品に直接触れる業務は対象外です。物流倉庫分野の資格で、トラック運転手として採用できるという意味でもありません。
| 類型 | 受入れ可能な事業者 |
|---|---|
| A | 倉庫業の登録を受けた倉庫業者で、倉庫作業を自ら実施する者 |
| B | 登録倉庫業者が営業に使用している倉庫で、その倉庫業者の委託を受けて倉庫作業を実施する者 |
| C | 一般貨物・特定貨物自動車運送事業の許可を受けた者で、自ら占有する倉庫で倉庫作業を行う者、または事業に関連して他人の需要に応じ有償で倉庫作業を行う者 |
類型Cの運送事業者の場合、運賃等とは別に作業料金を受け取って引き受けている倉庫作業である必要があり、運送に伴う荷役として運賃に含まれている作業は「倉庫作業」に当たりません。「倉庫がある」というだけで、すべての製造業・小売業の自社倉庫が対象になるわけではない点にもご注意ください。
受入れ企業に求められる条件
上乗せ基準告示と2026年9月18日に公表された特定技能の運用要領別冊では、次のような条件が定められています。
- 入庫・在庫・出庫管理の機能を持つ情報システム(いわゆる倉庫管理システム(WMS))を、外国人が就業する倉庫で利活用していること
- そのシステムと連携し、生産性・労働安全衛生の向上に役立つ機器や情報システムを継続して利活用し、協議会加入日から1年以内に利活用状況を協議会へ報告すること
- 在留諸申請の前に、分野別協議会へ加入すること(支援を登録支援機関に全部委託する場合は、その登録支援機関も在留諸申請の前に加入が必要)
- 類型Bの委託先事業者は、委託元の倉庫業者と、雇用の継続に係る責任を負う旨の協定書を共同で作成すること
- 直接雇用に限ること(派遣による受入れは不可)
- 国土交通大臣等が行う調査・指導に協力し、本人の求めに応じて実務経験を証明する書面を交付すること
国土交通省のQ&Aでは、WMSは製品名として「倉庫管理システム」と銘打っていなくても、入庫・在庫・出庫管理の機能を満たしていればよく、自社で所有していなくても就業する事業所で使える状態にあればよいとされています。現場の作業内容・契約関係・システムの状況をあわせて確認することが重要です。
2027年に向けて、今から始めたい受入れ準備
- 自社が対象となるか確認する
倉庫業の登録、運送事業の許可、委託元との契約関係、作業料金の受け取り方を整理します。 - 採用後に任せる作業を具体化する
検品・格納・ピッキング・流通加工などの配分、食品への接触の有無、運送に伴う荷役との違いを確認します。 - システム・安全教育を整える
倉庫管理システムと連携機器の利用状況、作業手順、危険箇所を伝える方法を確認します。 - 採用・生活支援の計画を立てる
採用人数、待遇、住居、通勤、相談担当者を具体化し、義務的支援を自社で行うか登録支援機関に委託するかを決めます。
試験日程や協議会の発表を待つ間にも、企業側で進められる準備があります。発表後に要件の確認や受入れ体制づくりに着手すると、希望する採用時期に準備が間に合わないことも考えられます。
よくあるご質問
Q. 今すぐ物流倉庫分野で特定技能外国人を採用できますか?
A. 受入れ企業の要件は告示と運用要領別冊(2026年9月18日公表)で示されていますが、現時点では、特定技能としての就労開始に必要な評価試験の実施や分野別協議会への加入の準備が整っていません。ただし、対象業務の確認や採用計画、倉庫管理システムなどの受入れ体制の準備は進められます。
Q. 派遣会社を通じて受け入れられますか?
A. 物流倉庫分野は直接雇用に限られ、特定技能外国人を派遣すること・派遣された者を受け入れることはできません。
Q. 特定技能2号に移行できますか?
A. 物流倉庫分野では、現時点で特定技能2号の受入れはありません。
Q. WMSを自社で導入していないと受け入れられませんか?
A. システムの「利活用」が要件のため、自社所有でなくても、外国人が就業する事業所で入庫・在庫・出庫管理の機能を持つシステムを使える状態であればよいとされています。
Q. 支援業務は登録支援機関に委託できますか?
A. 委託できます。ただし物流倉庫分野では、委託先の登録支援機関も分野別協議会の構成員であることなどが条件とされ、在留諸申請の前に協議会へ加入している必要があります。
物流倉庫分野の外国人採用は、サファルタへご相談ください
株式会社サファルタは、広島県を中心に全国の企業様の外国人材採用を支援しています。ネパール人材の紹介・登録支援に加え、行政書士・社会保険労務士の専門性を生かし、在留手続きや雇用管理も含めてご相談を承ります。事業内容や特定技能に関する最新情報もあわせてご覧ください。
「当社の倉庫は対象になるのか」「委託作業でも採用できるのか」「倉庫管理システムの要件を満たしているか」「支援業務を登録支援機関に委託したい」など、採用方針が固まっていない段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
2027年に向けて無理のない受入れ計画を立てるためにも、早めにご相談いただけますと幸いです。

