【完全比較】技能実習・特定技能・技人国の違い|外国人採用で迷ったときの判断ガイド
投稿日:2025.12.14
外国人採用を検討する企業様からよくいただくのが、 「技能実習・特定技能・技人国(技術・人文知識・国際業務)の違いが分からない」 というご相談です。
これらは名前が似ていても、制度の目的や企業の受入れ体制、採用後の運用が大きく異なります。 本記事では、3つの在留資格(制度)を比較しながら、どの制度が自社に合うか判断できるように整理します。
まず押さえる前提:3制度は「目的」が違う(優劣ではない)
最初に重要なのは、技能実習・特定技能・技人国は「どれが上位」という関係ではなく、 それぞれ想定される役割(目的)が異なるという点です。
| 在留資格(制度) | 制度の主な目的 |
|---|---|
| 技能実習 | 技能移転・国際貢献(育成・指導を前提) |
| 特定技能 | 人手不足分野での就労(一定の技能・日本語能力を前提) |
| 技人国(技術・人文知識・国際業務) | 専門的・国際的業務への従事(職務内容の整合性が重要) |
技能実習制度の特徴
技能実習制度は、人手不足対策を主目的とした制度ではなく、 技能移転を通じた国際貢献を目的として設計されています。
主なポイント
- 対象職種・作業内容が限定されている
- 原則として転職はできない(例外的なケースを除く)
- 監理団体を通じた受入れが一般的
- 企業側に教育・指導・管理の役割が求められる
向いている企業
- 監理団体と連携した受入れ体制が整っている
- 育成・教育を前提として計画的に受入れたい
- 社内で指導担当・管理担当を置ける
補足(制度の今後)
技能実習制度は、2027年を目途に育成就労制度への移行が予定されており、 今後、制度趣旨や運用が変わります。 外国人採用は短期だけでなく、中長期の運用も見据えた制度選択が重要です。
特定技能制度の特徴
特定技能制度は、明確に人手不足分野での就労を目的として創設された制度です。 一定の技能水準や日本語能力が確認された人材が対象となります。
主なポイント
- 技能試験・日本語試験等により一定の能力を確認
- 現場での就労(即戦力性)を前提
- 同一分野内での転職が可能
- 生活支援等について、登録支援機関の関与が必要(企業の体制による)
向いている企業
- 慢性的な人手不足があり、早期に現場稼働が必要
- 日本人と同じ現場で働ける人材を求めている
- 採用後の定着まで含めた受入れ体制を整えたい
「転職ができる=すぐ辞める」と心配されることもありますが、 実際には入社前の説明と受入れ後のフォローが丁寧な企業ほど、定着につながりやすい傾向があります。
技人国(技術・人文知識・国際業務)の特徴
技人国は、専門性を活かした業務(主にホワイトカラー領域)に従事するための在留資格です。 審査では、職務内容と学歴・経験の関連性(整合性)が特に重視されます。
主なポイント
- 学歴・経験と職務内容の関連性が重要
- IT、設計、通訳、海外営業、企画・マーケティング等が典型
- 転職の自由度が比較的高い
- 制度上の生活支援義務はなく、企業側の運用が鍵
向いている企業
- 専門職を採用したい(職務定義が明確)
- 業務内容・就業条件を明確に説明できる
- 労務管理やフォローを自社で完結できる
補足(要件の厳格化傾向)
近年は技人国に限らず、在留資格全般で要件・運用が厳格化する傾向が見られます。 「想定する業務内容で適切な在留資格が取れるか」を、採用前に慎重に確認することが重要です。
一覧で比較:違いが一目で分かるチェック表
| 項目 | 技能実習 | 特定技能 | 技人国 |
|---|---|---|---|
| 制度目的 | 技能移転・育成 | 人手不足分野での就労 | 専門業務への従事 |
| 転職 | 原則不可 | 同一分野内で可 | 可 |
| 即戦力性 | △(育成前提) | ○(一定水準を確認) | ◎(専門性前提) |
| 受入れの枠組み | 監理団体との連携が一般的 | 登録支援機関の関与(体制による) | 企業主体 |
| 主な職種 | 対象職種が限定 | 主に16分野(2025年12月現在) | 専門職中心 |
結局どれを選ぶべき?判断のポイントは「人材像」と「受入れ体制」
外国人採用において大切なのは、制度名ではなく自社の状況に合っているかです。 次の2点を整理すると判断がしやすくなります。
1)求める人材像(育成か、即戦力か、専門職か)
- 育成を前提に計画的に受入れたい → 技能実習(今後の制度動向も踏まえて検討)
- 現場で早期に稼働できる人材が必要 → 特定技能
- 専門領域で活躍できる人材を採用したい → 技人国
2)受入れ体制(教育・管理・支援をどこまで担えるか)
- 指導担当・管理担当を置けるか
- 採用前後の説明・フォロー体制を整えられるか
- 外部(監理団体・支援機関)と連携できるか
制度選択を誤ると、ミスマッチや早期退職につながることがあります。 「最初の設計」が、採用成功の鍵になります。
Safaltaの支援について(技能実習・特定技能の両方に対応)
Safalta(サファルタ)では、2027年に予定されている育成就労制度の創設を見据え、 現段階で技能実習として受け入れた人材を、将来的に特定技能へ円滑に移行させることを前提とした 中長期的な人材活用を重視しています。
日本国内の監理団体と連携した技能実習の受入れ支援から、特定技能への切替え、 その後の定着支援までを一貫してサポートすることで、 受入れ企業に長く定着し、戦力として成長する人材の紹介に強みがあります。

