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外国人労働者が帰国するとき、公的年金はどうなる?

外国人労働者が帰国するとき、日本で加入していた年金はどうなるのか。受入企業としては、実務上よく確認しておきたいテーマです。

特に、ネパール、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなど、日本との社会保障協定がない国の外国人労働者については、日本の制度を前提に考えることになります。

この記事では、帰国時に問題となりやすい脱退一時金を中心に、企業側が押さえておきたいポイントを簡潔に解説します。

帰国時にまず見ること

実務では、帰国にあたってまず脱退一時金を請求できるかどうかを確認することが多くなります。

もっとも、加入状況によっては、脱退一時金ではなく、将来、日本の老齢年金を受け取る話になることもあります。

脱退一時金とは

脱退一時金とは、日本の公的年金制度に加入していた外国人が、一定の要件を満たして帰国した場合に請求できる給付です。

会社で働く外国人労働者については、厚生年金保険に加入しているケースが多いため、帰国時にはこの脱退一時金の取扱いが問題になることが少なくありません。

どれくらい戻るのか

脱退一時金の金額は、加入していた年金制度によって決まり方が異なります。

国民年金は、保険料納付済期間等に応じて、年度ごとの支給額表で決まります。たとえば令和8年度では、6か月以上12か月未満で53,760円12か月以上18か月未満で107,520円30か月以上36か月未満で268,800円です。

一方、厚生年金保険は、平均標準報酬額と支給率を使って計算します。そのため、加入月数が同じでも、給料や賞与の額によって金額は変わります。

請求できるかどうか

脱退一時金については、主に次の点を確認します。

  • 日本国籍を持っていないこと
  • 日本の公的年金制度の被保険者でなくなっていること
  • 老齢年金の受給資格を満たしていないこと
  • 日本国内に住所がないこと
  • 原則として6か月以上の加入期間があること
  • 原則として出国後2年以内に請求すること

企業が気を付けたいこと

外国人労働者の帰国時には、年金だけでなく、社会保険の資格喪失、雇用保険、離職票、住民票の異動、在留資格との関係など、確認すべきことが複数あります。

年金についても、「帰国するから自動的に脱退一時金」というわけではありません。加入期間や請求期限を見ながら、必要な手続を進めることが大切です。

ポイント

外国人労働者が帰国するときは、まず脱退一時金を請求できるかどうかを確認し、あわせて請求期限や必要書類を見ていくと実務上分かりやすくなります。

まとめ

外国人労働者の帰国時には、まず脱退一時金の対象になるかどうかを確認することが実務上の出発点になります。

そのうえで、加入していた年金制度、加入期間、請求期限を確認し、必要な手続につなげていくことが大切です。

外国人雇用では、公的年金に限らず、社会保険、雇用保険、在留資格との関係、就業規則や労務管理など、実務上注意すべき点が少なくありません。弊社では、こうした外国人雇用に関する労務管理についても、専属の社会保険労務士が丁寧にご相談に応じております。制度の整理や実務対応でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

外食業分野の特定技能に関する最新動向について

令和8年3月27日、出入国在留管理庁および農林水産省より、特定技能「外食業分野」に関する新たな運用方針が公表されました。

今回のポイント

  • 令和8年4月13日以降に受理される外食業分野の在留資格認定証明書交付申請は、原則として不交付
  • 同日以降に受理される在留資格変更許可申請も、原則として不許可
  • ただし、制度全体が停止するわけではなく、外食業分野の新規受入れ運用が厳格化されたもの

これにより、外食業分野では、令和8年4月13日以降に受理される特定技能1号の在留資格認定証明書交付申請について、原則として不交付とする取扱いが示されました。あわせて、同日以降に受理される在留資格変更許可申請についても、原則として不許可とされる方針が発表されています。

この発表を受けて、外食業の事業者様の中には、「今後は特定技能の受入れができなくなるのではないか」と不安を感じておられる方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、今回の措置は制度全体が停止するというものではなく、外食業分野における新規受入れについて、受入れ見込数(上限5万人)との関係から運用が厳格化されたものと理解するのが適切です。

まず確認したいこと

そのため、まず重要になるのは、現在進行中の案件がどの段階にあるかを整理することです。

すでに申請済みの案件であっても、申請の受理時期や進捗状況によって見通しが異なります。特に、4月13日より前に受理された申請についても、現に在留している方からの変更申請が優先されるため、交付までに相当な遅延が生じる可能性があります。これから受入れを検討される場合も、候補者が海外在住なのか、日本国内に在留しているのか、また現在保有している在留資格によって、対応の方向性が変わってきます。

確認しておきたい項目

  • いつ申請した案件か
  • 現在どの段階にあるのか
  • 追加資料の提出が必要になりそうか
  • 候補者が海外在住か、日本国内在留か
  • 現在保有している在留資格は何か

現時点で考えられる対応

現時点で外食業の事業者様が取るべき対応としては、まず進行中案件の棚卸しが挙げられます。

いつ申請した案件か、今どの段階にあるのか、今後追加資料の提出が必要かといった点を改めて確認し、見通しを整理しておくことが重要です。

また、既に外食業分野で特定技能1号として在留している方の採用可能性を検討することも、現実的な選択肢の一つです。

今回の運用では、すでに外食業分野で特定技能1号として在留している方の転職に伴う申請については、通常どおり審査される取扱いが示されています。新規受入れが厳しくなる中では、国内在留者の活用という視点がこれまで以上に重要になると考えられます。

さらに、採用時期の見直しや人員計画の再整理も必要になる場面があります。

採用を前提として進めていた計画について、入社時期や配置時期に無理がないかを改めて見直し、既存スタッフの配置や教育体制も含めて、短期的な対応を検討しておくことをおすすめします。

対応の方向性

  • 進行中案件の棚卸しを行う
  • 受理時期・進捗状況を踏まえて見通しを整理する
  • 国内在留の特定技能人材の採用可能性を検討する
  • 採用時期や人員計画を見直す
  • 短期的な現場運営も含めて体制を再確認する

冷静な情報整理が大切です

大切なのは、今回のニュースを必要以上に悲観的に受け止めることではなく、自社の案件ごとに、いま何ができるのかを一つずつ整理していくことです。

外食業分野における特定技能の受入れは、確かにこれまでより慎重な対応が求められる局面に入りましたが、すべての可能性が閉ざされたわけではありません。個別の状況に応じて、なお検討できる余地があるケースもあります。

株式会社サファルタでは、制度変更があった際にも、いたずらに不安をあおるのではなく、最新の公表情報を踏まえたうえで、事業者様ごとの現実的な対応策を整理し、ご提案することを大切にしております。

外食業分野での受入れをご検討中の事業者様へ
現在進行中の案件の確認や、今後の採用方針の整理も含めて、お気軽にご相談ください。

江波オフィス開設のお知らせ

株式会社サファルタは、八丁堀オフィス(本社)の業務拡大に伴い、2025年12月に江波オフィスを開設いたしました。

■ 江波オフィス所在地

〒730-0847
広島市中区舟入南6丁目1−6 B-スクエアB-1

本オフィスは広島信用金庫の創業支援施設内にあり、入居者は下記施設を利用することが可能です。

■ 利用可能な共用施設

  • ミーティングルーム(28㎡ × 1室)
  • ミーティングルーム(32㎡ × 1室)
  • セミナールーム(147㎡)

147㎡のセミナールームは、スクール形式で約50名規模の開催が可能です。
各種説明会、研修、合同イベントなどにも十分対応できる環境が整っております。

■ 共同開催のご提案

弊社では、以下のようなテーマでの共同開催・共催イベントを想定しております。

  • 特定技能・育成就労制度セミナー(最新制度動向の解説)
  • 外国人材採用説明会(受入企業向け/求職者向け)
  • 建設・物流・介護分野向け人材確保セミナー
  • 技能実習制度の実務解説セミナー(計画認定・変更手続き等)
  • 監理責任者・生活指導員向け実務フォロー研修
  • 登録支援機関・監理支援機関向け情報共有会
  • 技能実習から特定技能への移行実務セミナー
  • 在留資格申請・更新等の実務勉強会(士業向け)
  • 外国人労務管理・監査対応研修(受入企業向け)
  • ネパール現地教育機関とのオンライン合同説明会

人材確保をご検討中の企業様、教育機関様、監理団体様、士業の先生方など、外国人材分野での連携をご希望の方は、ぜひお気軽にお声掛けください。

江波オフィスを拠点に、地域企業様と海外人材をつなぐハブとしての機能を一層強化してまいります。
今後とも株式会社サファルタをどうぞよろしくお願い申し上げます。

2026年は「制度実装の年」──監理団体が今、準備すべきこと

2027年4月から予定されている育成就労制度の開始に向け、技能実習制度を取り巻く環境は大きな転換点を迎えています。

現在「監理団体」として活動されている組合・団体が、
今後どのような準備を進める必要があるのかについて、
実務の視点から整理します。

なぜ「今」準備が必要なのか

制度スケジュールを俯瞰すると、
2026年は単なる準備期間ではなく、「制度実装の年」と位置付けられます。

  • 2025年:制度の詳細ルール(基本方針・主務省令・分野別運用方針)が出揃う
  • 2026年:監理支援機関の許可申請が本格化(施行日前申請が可能)
  • 2027年4月:新制度スタート(育成就労者の受入開始)

特に重要なのは、
育成就労者を受け入れる前提として「監理支援機関の許可」が必要という点です。

許可取得が遅れれば、その後の

  • 受入企業側の育成就労計画認定
  • 採用スケジュール

にも影響が及ぶことになります。

監理団体に求められる「2つの手続き」

新制度への移行にあたっては、
監理団体側で段階的に2つの手続きが求められます。

① 監理支援機関の「許可申請」

以下の点が主な審査対象となります。

  • 財産的基礎
  • 組織体制
  • 外部監査体制
  • 中立性の確保

② 育成就労計画の「認定申請」

こちらは受入企業側の申請ですが、
①の許可取得が前提条件となります。

つまり、
監理支援機関の許可申請が全体スケジュールの起点になります。

許可申請「前」に整理しておくべき実務項目

許可申請は、書類を揃えれば終わりというものではありません。
多くの団体で、申請前の実務整理に時間を要すると想定されます。

代表的なポイントは以下のとおりです。

・定款の目的変更

「育成就労監理支援事業」に対応した目的追加が必要となり、総会決議・登記変更を伴うケースが一般的です。

・送出機関との協定書見直し

技能実習を前提とした契約内容を、新制度に合わせて整理する必要があります。

・内部体制の再設計

  • 監理支援責任者
  • 相談・通報体制(多言語対応含む)
  • 外部監査体制の確保

など、制度要件を満たす体制づくりが求められます。

・各種規程類の点検

監理費表、個人情報管理、文書保存ルールなど、既存規程の見直しが必要となるケースも少なくありません。

組合員(受入企業)対応も重要なテーマ

新旧制度の併存期間中は、
技能実習生と育成就労者が混在する可能性があります。

  • 労働条件通知書の違い
  • 契約書・覚書の再整理
  • 「いつから新制度で受け入れられるのか」という質問への対応

こうした点について、
組合員企業への丁寧な情報提供が不可欠になります。

対応が遅れると、
団体としての信頼性に影響が出る可能性も否定できません。

新制度ならではの注意点

育成就労制度では、技能実習制度とは異なるルールが適用されます。

  • 転籍制限期間と処遇改善義務
  • 送出機関費用の本人負担上限
  • 分野別協議会への加入義務
  • 分野ごとの上乗せ要件

これらは、
制度理解だけでなく実務設計とセットで考える必要がある論点です。

最後に:早めの情報整理が鍵になります

2026年は、多くの監理団体が一斉に動き出すことが想定されます。
申請窓口の混雑や審査の長期化といったリスクも指摘されています。

その意味でも、

「いつかやる」ではなく
「今のうちに整理しておく」

ことが、結果的に大きな差につながります。

株式会社サファルタでは、
外国人材を取り巻く制度動向や実務上の論点について、
今後も情報提供を続けてまいります。

引き続き、本サイトの記事をご参考いただければ幸いです。

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